先生、は同性愛恐怖症じゃないかと思うんです。

−同性愛者を恐れているのかね?

そうかもしれません。

−確信がないのかな?

同性愛者に知りあいはいませんから。でも10人に1人は同性愛者なのにこれはおかしいでしょう。どうしてぼくは同性愛者を避けているんでしょう? 無意識のうちに恐怖感を抱いているのかもしれません。小さいころからずっと・・・

−それは重要な問題なのかね?

もちろんです! この時代に同性愛恐怖症だなんて社会に受け入れられません。

−そうだね。最初にきみは同性愛者の知りあいはほとんどいないし、いままでに同性愛者と親しくなったことがないと言ったね。

ええ。

−でも、きみに言ってないだけでじつは知りあいの何人かは同性愛者かもしれないよ。

それもありえますね。

−当然のことながら、とても個人的なことだからね。

おっしゃるとおりです。

−だから自分をせめる必要は全然ないよ。きみは偏見は持ってない。ただ秘密を打ちあけてくれる友だちがいないだけで、普通のひとだ。

そこでぼくは安心して家に帰った。同性愛者の割合は、ぼくの知人にもあてはまっているにちがいない。だけど、だれが同性愛者なんだろう? リストを作ってみよう。


もう1回、診てもらったほうがよさそうだな。もしかすると、あと2回くらい。あの医者に慣れるまで。