「ねえみんな、平和ごっこしようよ」

「平和ごっこってどうやるんだい?」友だちは首をかしげた。

「まずは、武器を全部捨てて、積みあげるんだ」

は持っていた木の枝を投げ捨てた。続いてイェルンが吹き矢を捨てた。ヨーストは水鉄砲を持っていた。新品だ。それをそおーっと地面に置いた。アーマンドは何も持っていなかったけど、どうにか石を見つけてきた。

「ほら、これで平和になった」

「それから?」

「それから、ぼくらはお互い友好関係を保つ。みんな自分の好きなことをすればいい」

「どんなこと?」

「どんなことでもいいよ」

「でも、何か考えてよ。こんなの、つまんないよ」

ぼくの思いつきは受けが悪かった。もっと思い切ったことをしなくちゃ。なにかもっと派手なこと。平和の宣言? それとも行進とか?

「武器を燃やそう!」

この言葉で、みんなさらに盛りあがった。(ヨーストだけは嫌そうだった。でも、替わりの名案も思いつけなかったみたい)
そのあと午後いっぱいかけて、ぼくらは火遊びした。
太陽が沈む頃には、みんな
煙のにおいをさせていたし、
夕飯にも遅れてしまった。
でも、ヨーストは別。
まだくすぶっている水鉄砲をかかえて、泣きながら走って帰ったから。それ以来、ヨーストとは一緒に遊ばなくなった。